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ベトナムで人を採る方法【2026年版】求人媒体・人材紹介・SNSの実勢価格と使い分け

ベトナムの採用チャネル5系統(総合求人媒体・IT特化・人材紹介・SNS・大学リファラル)の実勢価格と使い分けを整理。掲載1万円台〜、人材紹介は年収18〜25%または定額型も。採用難が2年で4倍に悪化した市場での、レイヤー別の現実的な打ち手を解説します。

ベトナムの採用チャネルは、大きく5系統あります。総合求人媒体、IT特化媒体、人材紹介(成功報酬・定額)、SNS・コミュニティ、大学・リファラル。結論を先に言うと、どれを使うかは「職種」ではなく「レイヤー」で決まります。事務・ワーカーは媒体とFacebookグループで量が取れる。中間管理職から上は媒体に出しても来ないので、データベース検索とスカウト型に切り替える。部門長クラスになると掲載型はほぼ機能せず、LinkedInと人のつながりしか残らない——この使い分けを間違えると、掲載費だけ払って応募ゼロが続きます。

費用感も先に置いておきます。求人掲載は1本あたり約1.0万〜6.0万円(課金期間は媒体により2週間〜1ヶ月)、履歴書データベースの検索権は月換算で約1.8万円から、人材紹介の成功報酬は年収の18〜25%。円換算は1USD=160円、1,000VND=6.1円(2026年8月時点)で統一しています。

僕たち自身、ベトナムで自社のメンバーを現地媒体とクラウドソーシング経由で採用してきました。この記事では、媒体各社の公開レートカードとジェトロの調査データをもとに、2026年時点のチャネル地図を描きます。

前提:ベトナムの採用は「2年で4倍」難しくなった

チャネルの話に入る前に、市場の現在地を数字で押さえます。

ジェトロの2025年度調査(ベトナムの日系企業906社が回答)で、「採用が困難になっている」と答えた企業は48.2%。2023年は11.2%だったので、2年で4倍以上です。製造業に限ると66.7%、北部の製造業では76.0%に達します。原因としてジェトロが挙げるのは、中国・台湾・韓国企業との人材獲得競争。競合は他の日系企業ではありません。

採れないのは「上のレイヤー」から

ジェトロの別調査では、人材が「不足している」という回答がレイヤーによってはっきり分かれます。

レイヤー 不足と回答した企業
部門長・ジェネラルマネージャー 67.2%
専門職 61.8%
IT人材 56.8%
経営幹部 52.2%
工員 49.5%(北部は65.7%)
一般事務 26.6%

**上に行くほど採れない。**この形が、この後のチャネル選びの全てを規定します。一般事務の感覚(出せば来る)のまま管理職の募集をかけるのが、典型的な失敗パターンです。

総合求人媒体——実勢価格と得意分野

主要媒体の公開レートカードベースの価格です。実際の見積もりは交渉・時期・割引で動くので、桁感として見てください。

媒体 掲載費の目安 履歴書DB・その他 得意分野
TopCV 440万〜750万VND(約2.7万〜4.6万円/2週間) 履歴書閲覧はポイント制(有効12週) ベトナム最大級。若手〜中堅、事務・営業・製造の量
VietnamWorks 240万VND(約1.5万円) 履歴書検索 430万VND(約2.6万円・30日無制限) 中間管理職〜シニア、英語求人。日本語求人の専用面あり
CareerViet 159万〜986万VND(約1.0万〜6.0万円/月) 履歴書DB 月294万VND(約1.8万円)〜。12ヶ月契約なら月あたり約3.0万円 中堅・事務・経理。DBを長く持つなら単価が有利
Timviec365 トップ固定 352万VND(約2.2万円/2週間) 履歴書100件 308万VND(約1.9万円/6週間) ワーカー・地方採用向け。安価に量が出る分、見極めは自社側の作業になる
Indeed Vietnam クリック課金(最低5ドル/日・7日コミット) 予算が固定できない。使うなら日次上限を必ず設定

TopCV——量を取る媒体

ベトナム最大級の総合媒体で、2022年からマイナビの関係会社です。若手〜中堅の事務・営業・製造で母集団を作るならまずここ。一方、管理職より上のレイヤーはここでは出てきにくいので、幹部募集の主戦場にはなりません。履歴書の閲覧がポイント制(購入後12週間有効)なので、掲載費と別にポイント予算を見ておく必要があります。

VietnamWorks——中間層から上と、日本語人材

中間管理職〜シニア、英語のできる人材に強い媒体です。特筆すべきは**30日間検索し放題の履歴書データベースが430万VND(約2.6万円)**という価格。スカウト型の採用に切り替えるレイヤーでは、掲載よりこちらが主力になります。もうひとつ、日本語求人の専用面(japan.vietnamworks.com)が別に存在するのがポイントで、日本語人材を総合面に出しても届きません。

CareerViet——履歴書DBを長期で持つ選択肢

旧CareerBuilder Vietnam。パッケージが細かく分かれていて、履歴書DBは12ヶ月契約だと月あたり約3.0万円まで下がります。採用を単発ではなく年間で続ける計画なら、単価的に有利な選択肢です。

Indeedだけは課金構造が違う

Indeed Vietnamはクリック課金で、固定価格がありません。予算が読めないので、月額で採用予算を管理したい場合とは相性が悪い。使うなら日次上限の設定が必須です。

IT人材はITviecとTopDevの2択から

IT職だけはチャネルがほぼ独立しています。中心はITviec(2019年からマイナビ傘下)で、英語対応できるIT人材が集まる質重視・単価高めの媒体。TopDevはコミュニティ・イベント寄りで、ITviecとの併用が前提とされます(登録者の重複度合いは公開されていません)。

ITviecは毎年、回答者1,800名超の給与・採用市場レポートを無料公開しており、IT職の給与設計はこのレポートで当てるのが実務の定石です。8年以上のバックエンドエンジニアの中央値が月約33万円という水準感は、ベトナム人材の給与相場【2026年版】に職種別でまとめました。

人材紹介——料率・定額・「保証」の読み方

成功報酬の相場は年収の18〜25%

ベトナムの人材紹介の成功報酬は、年収の18〜25%、またはグロス月給の2ヶ月分が相場です(ヘッドハンティング型では20〜30%の提示もあります)。日系の人材会社にベトナム人採用を頼む場合は20〜25%が目安になります。支払条件は「着手時30%+入社1週間後に70%」のような分割もあります。

定額型という選択肢がある

あまり知られていませんが、ローカル市場には定額型のヘッドハントサービスが存在します。公開価格の例では、スタッフ級900万VND(約5.5万円)、主任・リーダー級1,900万VND(約12万円)、課長級2,900万VND(約18万円)、役員級4,900万VND(約30万円)。

つまり、スタッフクラスなら1名5〜6万円で紹介が買えるレイヤーが実在します。「人材紹介は年収の20%取られる」という前提は、市場の下側では崩れている。逆に言うと、どのレイヤーをどの価格構造で頼むかを知らないまま「いつもの紹介会社」に全職種を投げると、本来5万円で済む採用に数十万円払うことになります。

「保証」は期間と回数を必ず確認する

紹介会社の保証(現地ではbảo hànhと呼びます)は、30〜60日が標準で、上位パッケージで90日。運用は「1対1交換」——保証期間内に離職した場合、代替候補を1名提供して終わり、が一般的です。「保証があるから安心」ではなく、期間・回数・返金かリプレイスかを契約前に確認してください。

自社の募集ポジションだと媒体と紹介のどの組み合わせが妥当か、壁打ちしたい方はこちらからどうぞ

SNS・コミュニティ——ベトナム採用の隠れた土台

FacebookとZaloのグループ

日本ではあまり想像がつかないのですが、Facebookグループはベトナムの採用実務の土台です。地域別・職種別のグループが大量にあり、ワーカー・事務・新卒・日本語人材に効きます。掲載費はゼロ。Zalo(ベトナムの国民的メッセンジャー)にも250を超える採用グループが流通していて、Facebookより即応性が高い。

ただし注意点が2つ。第一に、これらのグループは詐欺求人と同じ面に並ぶので、企業名を出して投稿する以上、体裁と頻度の管理が要ります。第二に、Zaloの経路は属人的で、担当者が抜けると経路ごと消えます。

LinkedInは幹部採用の本命

LinkedInは、ベトナムでは英語話者・外資経験者・専門職に偏った媒体です。日系企業向けの母集団としては薄いのですが、カントリーマネージャー級の幹部候補を探すなら、ここが本命になります。先ほどのジェトロのデータのとおり、部門長・GMクラスは67.2%の企業が「不足」と答えるレイヤーで、掲載型には出てきません。

日本語人材は「面」が別

VietnamWorksの節でも触れましたが、日本語人材の求人面は総合媒体と別に存在します。VietnamWorksの日本語専用面、日本語人材専門のFacebookページなど。日本語要件のある求人を総合面に出して「応募が来ない」と嘆くのは、そもそも面の選択を間違えています。

大学・リファラル——日系企業が実際に使っている手

ジェトロの報告では、在ベトナム日系企業が実際に使っている経路として、次が挙がっています。

  • 大学との連携(講義提供・カリキュラムのすり合わせ・インターン受け入れ)
  • 社員の出身校のOB・OGネットワーク
  • 紹介報奨金制度(紹介者と入社者の双方に支給する形が使われている)
  • 退職者との接点を維持しての再雇用
  • SNSでの採用情報発信

どれも場当たりではなく、設計された手です。特に紹介報奨金の「双方支給」は、日本ではあまり見ない形ですが、ベトナムでは機能している。新卒・若手の母集団を中期で作るなら、大学連携は媒体より効きます。日本語学習者は全国に約17万人(2021年度・世界6位)いて、うち4.6万人が大学などの高等教育にいます。

レイヤー別・チャネルの使い分けマトリクス

ここまでを1枚にまとめます。掲載型が効くかどうか(◎○△×)は、ジェトロの不足感データと各媒体の特性から置いた僕たちの整理です。

レイヤー 不足感 掲載型 現実的な打ち手
一般事務 26.6% Facebook/Zaloグループ+TopCV。量で取る
工員 49.5% Timviec365・グループ・定額型紹介
IT人材 56.8% ITviec+TopDev。給与はITviecレポートで当てる
中間管理職 VietnamWorksの履歴書検索+LinkedIn。スカウト主体
専門職 61.8% 同上
部門長・GM 67.2% × LinkedIn+直接のリーチ。掲載では出てこない
経営幹部 52.2% × 同上+リファラル・現地の日本人コミュニティ

下のレイヤーは「量の設計」、上のレイヤーは「人的な作業」。同じ「採用」でも中身が別物です。複数職種を同時に採る計画なら、職種ごとにチャネルも予算構造も変える前提で組んでください。

採用カレンダー——Tếtを外すと3ヶ月無駄になる

13ヶ月目給与と転職の季節性

ベトナムには、Tết(テト=旧正月)前に月給1ヶ月分を追加支給する「13ヶ月目給与」の慣習があります。そして13ヶ月目給与を受け取ってから辞めるのが毎年の定型です。結果、転職市場には強い季節性が生まれます。

時期 市場の状態 打ち手
12〜1月(Tết前) 候補者が動かない。母集団形成の効率が落ちる 掲載を絞り、要件定義と候補者プールの構築に寄せる
2〜3月(Tết直後) 転職市場が一気に開く。最も採れる時期 予算を集中投下する

秋に採用を始める場合、最初の数ヶ月でこの停滞期を踏む可能性が高い。「3ヶ月やって成果が出ない」のか「Tết前だから動かない」のかを区別できないと、正しい打ち手を打てません。

内定から入社まで1.5〜2ヶ月かかる

もうひとつ、日本の感覚とズレるのが退職通知期間です。ベトナムの労働法では、無期契約の退職は45日前の事前通知が必要(有期12〜36ヶ月契約は30日前)。つまり在職中の候補者に内定を出してから入社まで、最低1.5〜2ヶ月空きます。日本の「2週間〜1ヶ月」の感覚で入社日を組むと必ずズレるうえ、この45日間はカウンターオファー(現職の引き止め)の窓でもあります。内定を出して終わりではなく、入社日までのフォローを最初から設計に入れてください。

一番の問題:歩留まりのデータが、どこにも公開されていない

最後に、この記事で一番伝えたいことを書きます。

ここまで媒体の価格と特性を並べてきましたが、「どの媒体のスカウト返信率が何%か」「応募から入社まで何日かかるか」という歩留まりのデータは、日本語・英語・ベトナム語のいずれでも公開されていません。媒体各社が出すのは訪問数と登録者数まで。紹介会社も出していません。

  • スカウト返信率(媒体別・職種別)——公開値なし
  • 書類通過率・面談化率——公開値なし
  • 内定承諾率・辞退理由の分布——公開値なし
  • 媒体別の採用単価(1名採用あたり費用)——公開値なし

これは進出企業の側から見ると、**「どの媒体にいくら払えばいいか、判断する材料が市場にない」**ということです。だから実務は、小さく複数チャネルに張って、自社の求人での実測値(応募数・返信率・通過率)を毎週取り、配分を変え続けるしかありません。遠回りに見えますが、実測値は貯まると自社だけの判断材料になります。逆に、実測を取らずに1つの媒体や1社の紹介会社に張り続けるのが、コストの見えない浪費になりがちです。

国選びの段階からやり直したい方はベトナム・タイ・インドネシア比較東南アジア6カ国比較、製造業の拠点設立はベトナム製造拠点の記事、人件費の全体感は東南アジアの人件費比較をあわせてどうぞ。

まとめ:チャネル選びとは、レイヤーの見立てのこと

ベトナムの採用チャネルは、価格も特性も公開情報でここまで分かります。分からないのは歩留まりだけで、それは誰にとっても同じ条件です。

外してはいけないポイントは3つ。①チャネルはレイヤーで決める(事務の成功体験を管理職に持ち込まない)。②Tếtと退職通知45日をカレンダーに織り込む③実測値を取り、配分を変え続ける。この3つを押さえた上で、複数チャネルに小さく張って自社のデータを貯めるのが、遠回りに見えて一番早い進め方です。

自社の採用計画にどのチャネルの組み合わせが合うか、具体的に検討したい方はこちらからご相談ください

株式会社EONは、ベトナムで組織を作る日本企業向けに、現地採用のRPO(Recruitment Process Outsourcing=採用業務の受託)を提供しています。


出典

よくある質問

ベトナムで採用するには、まずどの求人媒体を使えばいいですか?
職種のレイヤーで決まります。事務・営業・製造の若手〜中堅ならTopCV、中間管理職から上や英語人材ならVietnamWorks(掲載より履歴書検索が主力)、ITならITviec。部門長クラス以上は掲載型がほぼ機能しないため、LinkedInと人的なリーチに切り替えます。
求人掲載の費用はいくらくらいですか?
公開レートカードベースで、1掲載あたり約1.0万〜6.0万円(媒体・プランにより課金期間は2週間〜1ヶ月)です。別途、履歴書データベースの検索権が月換算で約1.8万円から。実際の見積もりは交渉や時期で動きます。
人材紹介の手数料の相場は?
成功報酬で年収の18〜25%(ヘッドハンティング型は20〜30%の提示もあり)が相場です。一方、ローカル市場にはスタッフ級900万VND(約5.5万円)からの定額型も存在します。レイヤーによって最適な価格構造が違うので、全職種を同じ料率で頼む前に選択肢を比較してください。
紹介会社の「保証」はどこまで期待できますか?
標準は入社後30〜60日(上位で90日)、運用は代替候補1名の提供(1対1交換)が一般的です。返金型かリプレイス型か、回数制限、対象外の条件を契約前に確認することを勧めます。
採用を始めるのに最適な時期はありますか?
Tết(旧正月)直後の2〜3月が、転職市場が最も開く時期です。逆に12〜1月は13ヶ月目給与の支給待ちで候補者が動きません。また、内定から入社まで退職通知期間(無期契約で45日)が挟まるため、「いつまでに入社してほしいか」から逆算して2ヶ月以上前に動き始める必要があります。
日本語ができる人材を採りたいのですが、応募が来ません。
日本語人材の求人面は総合媒体と別に存在します(VietnamWorksの日本語専用面など)。総合面への掲載だけでは届きません。また日本語要件が付くと給与相場は初任給の時点で約3割上がるため、予算が相場とズレている可能性もあります。相場は[給与相場の記事](/articles/vietnam-salary-guide-2026)を確認してください。
現地に人事担当がいなくても、これらのチャネルを運用できますか?
媒体の管理画面の多くはベトナム語(一部英語)で、応募者とのやり取りもベトナム語が基本になるため、現地語の運用体制なしで回すのは現実には難しいです。体制の作り方も含めて検討したい場合は、[お問い合わせ](/#contact)から相談してください。
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